拍手をありがとうございました。

memo-1/
「……なんだこれは……」
「えー? かわいいでしょ?」
確かに、かわいい。それにはおれも異存はない。素直に認めよう。
だが、そういう問題ではないはずだ。もっとも視線に抗議を込めてみたところでそんなものは少しも効果がなく、兄者はへらへらと緩いとしかいいようがなく笑っている。
……おれの貧乏くじは、どこまで続くのだろう。
「……まさかとは思うが……それを抱えたまま行くつもりか……?」
「当たり前じゃんよ。……ちょーっとやだね、この子。頭抱えちゃってどうしたのよー?」
「…………脳味噌を洗ってから出直してこい…………」
前の店の店主の顔が、自然と脳裏に浮かぶ。ああ、本当に、このダメ男の面倒を見てくれるのは嬉しいのだが。
それじゃなくてもあちこち軽くて浮かびそうになっているこの従兄を、これ以上使い物にならなくなるほど浮かれさせないでほしい。
……贅沢な願いなのだろうか、やはり。
「いつも大変ですの、これで元気を出すですの。それじゃあ、いくですのー」
「……ありがとうございます……」
そう言っておれの背を優しく叩いた彼女こそがじつはいちばんの頭痛のタネであるということは、この際考えないことにした。

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